JR東海は炭素繊維シートの導入で省人化・コスト低減を狙う(23日、東京都千代田区)

JR東海は23日、東海道新幹線のコンクリート橋の改修工事で、ひび割れなどの劣化を防ぐ炭素繊維シートを新たに導入すると発表した。9月から施工を進める。これまで劣化防止に使っていた「めっき鋼板」より軽い素材を導入することで、作業員の負担を抑える。コストもおよそ3割減らせると見込む。

新幹線のコンクリート橋では、橋脚から横に突き出した床板にあたる「はね出しスラブ」と呼ばれる構造がある。はね出しスラブの劣化を抑えるために、従来は1枚最大60キログラムの鋼板を、3人以上の作業員で取り付けていた。

新しい工法では炭素シートを接着剤で固定し、表面を保護する液体を塗る。シートは鋼板と比べ重さが60分の1以下になるため、1人でも作業が可能なほか、安全性も向上するという。

高架下に建物があるケースでも、外壁を撤去するなどの大規模な工事が不要になる。従来は壁を一度撤去してから建物内に鋼板を取り付け、改めて壁の復旧作業を実施していた。

JR東海は東海道新幹線の安全維持のため、2013年度から土木構造物の大規模改修工事を進めている。新しい工事方法はその一環と位置づける。

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