24年産の「仙台せり」の出荷が始まった(28日、宮城県名取市)

宮城県の名産「仙台せり」の出荷が28日、同県名取市の集荷所で始まった。生産者らが緑色のセリを箱詰めし、宮城県や東京都などの市場に送り出す。国から保護される地域ブランドの地理的表示(GI)に登録されて初めての出荷に期待が高まっている。

集荷所には8月下旬に収穫されたおよそ140キログラムの仙台せりが並んだ。出荷は2025年4月ごろまで続く見通し。

緑鮮やかでシャキシャキした食感が特徴で、宮城県では「仙台雑煮」などの伝統料理に使われるほか、根まで食べられる「せり鍋」が仙台料理として知られる。

セリは名取市と仙台市太白区で生産されており、知名度のある「仙台」を冠してブランド化を推進する。

3月に国のGI制度に登録されたことを弾みに販路拡大に意欲を示す生産者や集荷団体も多い。生産者の伊藤彰一さんは「GI制度の名前に恥じない立派なセリを今年も収穫できた」と胸を張る。

近年は猛暑の影響で栽培が難しく、田んぼに井戸水を流したり、遮光シートを活用したりと工夫を凝らしている。

生産者の組合によると、23年産は市場で1キログラムあたり2400円前後で取引された。24年産は23年産に比べて生育が順調という。

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