関空の開港30年を控え、運営会社の山谷社長が取材に応じた(28日、大阪府泉佐野市)

関西国際空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長は28日、関空が9月4日に開港30周年を迎えるのにあたり、報道陣の取材に応じた。「最大の危機はバブル崩壊後の経済停滞だった」と話した。近年は「利用客も増え、ようやく羽ばたくことができている」と述べ、2016年から実施しているコンセッション(民間による公共施設運営)方式に手応えを示した。

関空は1兆円以上を投じて、1994年に世界初の完全人工島の海上空港として開港した。ただバブル崩壊直後にあたり、景気低迷の影響で需要が思うように伸びず、負債の返済に苦しんだ。「空港ビジネスは将来にわたって安定して拡大していく需要を取り込んでいくのが基本だが、需要が見込めなかったのが苦しかった」という。

赤字体質の改善のために事業運営権を民間に売却し、16年からコンセッションが始まった。

山谷社長は複数の旅客が同時に手荷物検査できる「スマートレーン」を導入したことなどに言及し、「施設の運営に関して細やかに対応していくのは国よりも民間の方が優れている」と強調した。

10年代のインバウンド(訪日外国人)の増加を追い風に、新型コロナウイルス禍前の18年には年間利用者数が3000万人に迫るまで成長を遂げた。

コロナ禍から回復する現状を受け「右肩上がりの需要は30年まで続く」との見方を示した。「今ある施設をどれだけ効率的に使えるかの競争になる」と述べた。

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