TDKと東京医科歯科大学は29日、磁気センサーなどを使って心臓の動きを通常の環境下で測ることに成功したと発表した。センサーの感度などを高め、外部ノイズを除去するソフトウエアを活用した。従来の高感度磁気センサーで必要だった外部ノイズを遮断するシールドルームや冷却用の液体ヘリウムを使わないため、一般の検査室で測定できる。
今後は不静脈や胎児の心臓も測ることができるとして実用化を目指す。
TDKが開発するセンサーなどは心臓の電気的活動で発生する小さな磁場を測る「心磁計」という装置に使われる。心電図よりも正確に心臓の状態を調べることができる。2014年から東京医科歯科大と共同研究を進め、23年12月から椅子型の心磁計を試作して健常者に試験をした。
患者は胸を近づけて、約42個の磁気センサーでリアルタイムで測定する。2つのソフトを用いて外部のノイズを除去する。室温で服の上から測れるため、患者の負担も減らせる。
TDKの磁気センサーではHDD(ハードディスク駆動装置)の磁気ヘッドに使われる「磁気抵抗(MR)素子」を応用する。センサーの構造などを工夫して感度を3ピコテスラ(ピコは1兆分の1、テスラは磁気の強さの単位)に高めた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。