実証実験では南河内地域で2つのルートを走らせる

大阪府と大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)でつくる協議会は9日、府南部の南河内地域で実証実験を行う自動運転バスの運行ルートを決定した。2026年春から3年間、利用者を乗せて、鉄道駅が存在しない太子町や河南町、千早赤阪村で「北部ルート」と「南部ルート」の2ルートで運行する。

実証実験は大阪メトロが所有する乗車定員11人のバスを2台使い、障害物の回避など必要に応じて運転手がハンドルやブレーキなどを操作する自動運転「レベル2」で行う。北部ルートは上ノ太子駅や太子町役場などを通る約7.9キロメートル、南部ルートは富田林駅や千早赤阪村役場などを通る約8.3キロメートルとなる。

24年度中に走行に必要な道路環境の整備や数日間の走行試験などを実施するほか、運行時間帯・頻度や運賃などの運行計画も策定する方針だ。

大阪府と大阪メトロが開いた南河内地域への自動運転バスの導入に向けた検討会(9日、大阪府庁)

南河内地域は23年12月、運転手不足などで路線バス「金剛バス」が廃止されるなど、公共交通の存続が危ぶまれている。自動運転バスは25年国際博覧会(大阪・関西万博)の会場内外でも運行する予定で、吉村洋文知事は会議で、「交通課題を抱える地域こそ、最新技術や万博のレガシーを残していくべきだ」と強調した。

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