北海道函館市は北海道新幹線の函館乗り入れについて、フル規格の車両を基本に検討すると決めた。3月に公表した調査結果ではミニ新幹線での運行も想定していたが、想定される整備費や輸送力、経済効果などを総合的に勘案し、具体的な乗り入れ方針を絞り込んだ。
調査では、札幌からの直通乗り入れを基本とし、東京からの乗り入れ有無などを踏まえた6つのパターンを設定していた。
調査報告書によると、検討の軸になるケースではフル規格の10両編成で1日に函館―東京間で5往復、札幌間で8往復運行する想定だ。新函館北斗駅で車両の分割・併合はしない。調査では来訪者の増加で125億〜131億円の経済波及効果を見込んだ。整備費はレールや駅ホームの改修で、税引き169億円に上ると見積もる。
調査では整備費に盛り込まなかった車両費も含め、乗り入れで追加発生する費用の負担をJR北海道に求めない方向だ。同社の綿貫泰之社長は調査結果を踏まえ4月に「現時点で可能とは思っていない」と述べ、車両購入費や営業主体に関する課題解決が必要との認識を示していた。
今後の検討スケジュールや最終的な事業費は、関係機関との打ち合わせ状況を踏まえて精査し判断する。
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