損害保険業界では、旧ビッグモーターによる保険金の不正請求や、企業向けの保険をめぐる大手どうしでの価格調整、さらに代理店への出向者が同業他社の顧客情報を自社に漏えいしていた問題が明らかになっています。
金融庁は問題の背景の1つに、損害保険会社が自社の営業のために代理店に社員を出向させる慣習があることを指摘しています。
こうしたことを受けて、業界団体の日本損害保険協会は出向に関する新たなガイドラインを発表し、この中で顧客の獲得や自社のシェアの維持など営業を目的とした出向は認めないとしました。
一方で社員の人材育成を目的とする出向や、社員の転籍を前提とする出向などは認めますが、その際にも人数や期間を適切に検討することを求めています。
また、協会は損保各社と取引先とのもたれ合いをなくすため、政策保有株式についての新たなガイドラインも策定し、明確な期限を定めて政策保有株をゼロにするほか、新たな保有を認めないとしました。
日本損害保険協会の城田宏明会長は会見で「旧来の業界慣行を根本から見直すことを最優先に取り組んでいく。信頼回復に向けて、一つ一つの課題を着実に前進させていきたい」と話しています。
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