熊本市電で運行トラブルが相次いでいることを受け、九州運輸局は20日、運営する市交通局に対して改善措置を講じるように指示した。2024年に入ってから、車両の扉が開いた状態での走行や脱線事故などのトラブルが相次いでいた。運輸局は7月と8月に保安監査を実施。10月21日までに改善措置を報告するよう求めた。
市電は熊本市内を走る路面電車。交通局によると1月以降、事故につながりかねないインシデントが7件、うち重大インシデントが3件発生していたという。7月には脱線事故も発生していた。
運輸局は実施した保安監査で、技能が基準に達していない運転士が操縦していたことなどを確認した。適性検査では視力が基準に達していない運転士もいたという。その他、就業前後に行う点呼を行っていないにもかかわらず点呼を完了したと虚偽の記載がされていたことも分かった。
市交通局の井芹和哉交通事業管理者は原因について明確な理由は調査中としたうえで「運転士が今年の3月に7人ほどやめていた。4月以降、勤務状況に無理があったのではないか」と話した。熊本市電では6月、運転士不足などを理由に減便を実施していた。
改善指示を受け井芹氏は「真摯に受け止め、反省している。熊本市民にとって重要な移動手段。信頼回復につとめたい」と話した。
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