公正取引委員会は10月、東証プライム上場企業の1643社を対象に、独占禁止法に関するコンプライアンス(法令順守)について実態調査を始める。人工知能(AI)を利用した価格設定で生じる独禁法上のリスクなど、最新状況も調査項目に加える。来夏ごろに調査結果と対応策を公表するという。

 上場企業対象の法令順守に関する調査は2012年以来12年ぶり。公取委は10~11月、各社にアンケートとヒアリングを行う。

 公取委によると、近年は製品・サービスの価格設定や他社の価格調査にAIやアルゴリズムを活用する動きが広がり、カルテルの合意や実施が容易になっているという。不用意にカルテルなどの違反行為に関与してしまう事態も懸念され、企業の対応状況も調べる。

 人件費などコスト増加分の適切な価格転嫁に向けた管理体制、価格交渉のモニタリングなどについても調査する。実効性のある違反防止策の提示につなげる狙いという。

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