物流費の上昇を反映し、ペットボトル飲料の値上げが目立つ(都内のスーパー)

帝国データバンクは30日、10月に2911品の食品の値上げが実施されると発表した。月間では4月の2897品目を14品目上回って2024年で最多となる。包装・資材価格や物流費の上昇などを反映し、ハム・ソーセージ製品などの加工食品やペットボトル飲料の値上げが目立つ。

主要食品メーカー195社を対象に調査した。分野別では酒類・飲料が1362品目で最も多く、加工食品が673品で続いた。菓子では10月に値上げする237品目のうち半数超をチョコレート関連製品が占めた。カカオ豆の価格の高騰が影響した。

実質所得が伸び悩む家計で購入点数の減少や安価な商品への変更などの消費行動が定着し、値上げを含めた価格設定は23年に比べて非常に難しい局面が続く。帝国データバンクは「値上げの見送りや内容量の減量などで価格を極力維持する傾向が強く、値上げの勢いは後退感がみられる」と分析する。

帝国データは24年通年の値上げは23年(3万2396品目)に比べて4割程度の水準の1万3000品目以下での着地を想定する。足元ではコメ不足により価格が高騰したパック米飯でまとまった値上げが予定されている。11月は11カ月ぶりに前年同月を上回るものの、年末にかけては落ち着いて推移しそうだ。

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