泉北高速鉄道は25年4月1日付で南海電鉄に吸収合併される

南海電気鉄道は30日、完全子会社の泉北高速鉄道(大阪府和泉市)を2025年4月1日付で吸収合併すると発表した。両社の鉄道や不動産の事業で人員配置や投資を効率化する。初乗り運賃の2度払いを解消して運賃引き下げや利便性を高める。沿線の堺市と和泉市にまたがる泉北ニュータウンで人口が減る中、グループの鉄道事業の経営を一体化して沿線ブランドをテコ入れする。

泉北高速鉄道の24年3月期の単体の売上高は142億円、営業利益は42億円。吸収合併に伴う貸借対照表の調整で、26年3月期の南海電鉄の連結決算では、抱き合わせ株式消滅差益を特別利益として計上する見込み。一方で、初乗り運賃の2度払いが解消されることで、26年3月期に運賃収入が10億円程度減る可能性がある。

泉北高速鉄道は1965年、大阪府などの第三セクター「大阪府都市開発」として設立された。泉北ニュータウンへの交通手段として、中百舌鳥(堺市)―和泉中央(和泉市)を結ぶ泉北高速鉄道線を営業するほか、大阪府内で物流倉庫事業を営む。2014年に大阪府などによる株式譲渡で南海電鉄の傘下に入って現社名となり、22年に南海電鉄が完全子会社化した。

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