開業から60周年を迎えた東海道新幹線

東海道新幹線は1日、開業60周年の節目を迎えた。日本の大動脈を担い、高度経済成長を支えた同新幹線の累計乗客数は70億人にのぼる。JR東海の丹羽俊介社長は東京駅で開いた出発式で「自然災害への対応を含めた安全輸送に最優先事項で取り組みたい」と語った。

1日午前6時前、東京駅で出発を待つ博多行きの「のぞみ1号」の前で、60年前の開業式を模した式典が開かれた。関係者がテープカットで祝った後、列車は駅長による合図で加速を始め、駅係員らに見送られていった。静岡、名古屋、新大阪の各駅でも始発列車の出発式が開催された。

1964年の開業当初は「夢の超特急」として、東京と大阪を従来より2時間半短い4時間で結んだ。65〜70年のいざなぎ景気を支える基盤としてビジネス客をつかみ、乗客は右肩上がりで伸びた。70〜80年代は不況などで一時落ち込んだが、旧国鉄民営化以降は新型車両の導入などで再成長を続けた。

近年は新型コロナウイルス禍で落ち込んだビジネス客が回復途上にある。JR東海は沿線地域などと連携して新たな客層の発掘に挑む。1日あたりの列車本数は8月に過去最高の480本超を記録するなど、輸送力の強化に向けたゆまぬ進化が続く。

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