培地にセンサーを浸すことで培養の状態を常に測定できる

PHCホールディングス(HD)は1日、細胞治療に使う培養装置の新製品「LiCellMo(リセルモ)」について報道機関向けの説明会を開いた。攻撃力を高めた免疫細胞をがん患者に投与する「CAR-T細胞療法」など新たな治療法の普及に伴い、細胞培養装置の市場は拡大している。国内では研究機関や製薬会社向けに9月に発売しており、海外でも10月から販売する。

リセルモは研究開発用の製品で、細胞の培地に含まれるグルコース(ブドウ糖)と代謝物として出る乳酸の値の変化をみることで培養の状態を把握する。PHCHDは糖尿病患者向けの血糖値測定技術に強みを持っており、センサーなどのノウハウを新製品に生かした。

従来は一定時間おきに培地を採取して成分を測る作業が必要で、菌が混入してしまうなどの課題があった。PHCHDの新製品ではセンサーを培地に浸すことで、グルコースや乳酸などの数値を常時測定できる。

リセルモの価格は専用の検出器などの機器が税別1000万円。センサーなどの消耗品は3枚で同24万円。PHCHDは2025年秋以降、より大量の細胞培養に対応できる大型装置の製品化を目指している。

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