内定書を受け取る福岡銀行の内定者㊨(1日、福岡市中央区)

九州の主要企業は1日、2025年春の入社予定者を集めて内定式を開いた。脱炭素化やデジタル技術への対応が求められるなど各社を取り巻く経営環境が大きく変わるなか、幹部が将来の成長に向けて内定者に挑戦を呼びかけた。出席した内定者は社会人として一歩を踏み出す決意を新たにした。

九州電力は技術系と事務系で計292人に内定を出した。内定式には高卒を除く172人が参加し、津野喜久代執行役員は「カーボンニュートラル(脱炭素)など経営環境は大きな転換期を迎えている。失敗を恐れず果敢に挑戦してほしい」と呼びかけた。

同社が対面での内定式を開くのは17年以来7年ぶり。内定者の甲斐明日奈さん(25)は「カーボンニュートラルに向け技術者として役割を担いたい」と話した。西尾太良さん(24)は「この会社で働くんだという自覚が芽生えた」と気を引き締めた。

ふくおかフィナンシャルグループ(FG)傘下の福岡銀行では、小津和健吾・執行役員人事部長が内定式で「デジタル技術の急速な発展など銀行を取り巻く環境は変化が進んでいる」と説明。「未来を切り開く原動力となるのは皆さんの発想力と想像力、そして挑戦する行動力だ」と期待を語った。

内定者の火山稜斗さん(24)は「法人営業や融資業務で結果を残し、地域の福祉施設や病院の課題を解決する仕事に携わりたい」と意気込んだ。式には191人が出席した。

今年から立食パーティー形式となり、山根常務執行役員(右)と歓談する内定者ら(1日、福岡市)

今回から内定式を立食パーティー形式に変更したのは、JR九州。山根久資・常務執行役員は出席した124人に向け「挑戦を続けたことで、鉄道以外の売り上げが全体の7割を占めるまでになった。個性と能力をいかんなく発揮し、新しい挑戦の担い手になってほしい」とあいさつした。

内定者代表の御手洗さくらさん(22)は「先輩のDNAを引き継いで九州の発展に貢献したい」と話した。

25年春に本社移転を控える九電工は50年ほどの歴史をもつ現本社では最後となる内定式を開いた。安川仁上席執行役員は「人は最も重要な経営資源だ。『和して同ぜず』の精神を忘れず成長してほしい」と出席した146人にエールを送った。

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