きょうとサービサーの営業を開始した(1日、京都市)

京都銀行を傘下に持つ京都フィナンシャルグループ(FG)は1日、新たに設立した債権回収子会社の営業を始めたと発表した。一般的な債権の回収に加えてグループの経営支援の知見を生かし、事業再生支援にも取り組む。同日、記者会見した京都FGの土井伸宏社長は「物価上昇などの中で経営難に直面する企業を支援したい」と話した。

営業を開始したのは京都市に本社を置く「きょうと事業再生債権回収」で、通称を「きょうとサービサー」とした。4月に会社を設立し9月に法務大臣の許可を得た。従業員数は京都銀行からの出向者など20人。外部企業出身の専門人材も一部採用した。

きょうとサービサーの中井秀治社長は「まず京都銀行の営業エリアである関西や愛知県で事業を始める。3年後をメドに黒字化し、将来は全国にも展開したい」と話した。金融機関などから債権を買い取るサービサーは全国に約70社あるが、対象となる企業の事業再生を支援して債権の価値向上を図る取り組みは珍しいという。

京都FGは合わせて京都銀行本店ビルの建て替えを検討していることも発表した。1966年竣工の現在のビルを2031年頃までに建て替える。京都銀行の安井幹也頭取は「現在駐車場のあるスペースなどを活用して床面積を2倍程度に増やし、銀行の本店営業部やグループ会社の本社機能を集約する」と話した。

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