東北大が仙台市のキャンパス内に整備する「サイエンスパーク」のイメージ=東北大学提供

東北大学と三井不動産は26日、青葉山新キャンパス(仙台市)を中心に企業や研究者を集積してイノベーション(技術革新)の創出をめざす構想を発表した。研究施設など受け皿となる「サイエンスパーク」の整備と、会員組織の新設が柱となる。

東北大は政府がめざす世界最高水準の研究大学「国際卓越研究大学」の唯一の認定候補となった。多彩な研究者を国内外から集めて社会課題の解決や新産業の創造に取り組むという、大学が掲げる理念を具体化する。

会員組織「ミチノーク・コミュニティ」を4月に立ち上げる。半導体、宇宙、ライフサイエンスなど東北大が強みとする4分野を中心に企業や研究者を募り、交流や連携の機会をつくったり東北大の施設や支援制度を提供したりする。企業会員は5年後に100社、個人など一般会員は同5000人をめざす。

ハード面では同キャンパスに約4万平方メートルの「サイエンスパークゾーン」を整備し、4月に2棟の研究施設の運用を始めた。2027年に3棟目の施設を整備する計画で、産学連携などの拠点にする。

三井不動産は東京・日本橋にライフサイエンス分野の企業の集積や会員組織を設立・運営した実績がある。東北大のサイエンスパークでは企業進出の支援や研究者らとのマッチング、会員組織づくりや運営などのノウハウを提供する。

サイエンスパークの近隣には国や経済界などが共同で整備した次世代放射光施設「ナノテラス」や、東北大の半導体の研究開発拠点やスーパーコンピューターがある。東北大の研究者や最先端の研究施設と連携できる点を生かし企業や研究者を誘引する。

26日の記者会見で三井不動産の植田俊社長は「我々の知見を活用し企業や研究者が集まる共創の場を東北大と共に実現したい」と話した。東北大の冨永悌二学長は「ハードとソフトの両輪でイノベーションを起こしたい」と述べた。

記者会見する三井不動産の植田社長=中央右=と東北大の冨永学長=中央左=ら(26日、東京都中央区)

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