西松屋チェーンの店舗(大阪市内)

西松屋チェーンが2日発表した2024年3〜8月期の単独決算は、税引き利益が前年同期から微減の47億円だった。為替相場で円安が進んだ局面では輸入品が多い子供服の仕入れコスト上昇に商品の値上げなどで対応したが、期末にかけて急激に円高が進み、為替差損が発生した。

売上高は6%増の935億円と上半期では過去最高を更新した。猛暑で夏服やプール用品の販売が好調だった。上半期末の店舗数は1120店となり期中に11店増えた。子供服など商品の値上げで既存店の客単価が前年同期から3%上昇した一方で、客数は0.5%減だった。大村浩一社長は「値上げ幅を昨年より抑えたので客数を維持できたのではないか」と話した。

2024年3〜8月期決算を説明する大村社長(2日、兵庫県姫路市)

営業利益は4%増の70億円と過去最高だった。上半期のほとんどの期間では円安が進み、仕入れコスト上昇で売上高総利益率は34.9%と前年同期から0.2ポイント低下した。新紙幣への対応などで販管費も増加したが、増収効果で補った。

一方、上半期末にかけて急激に円高が進んだことで営業外費用で約6000万円の為替差損が発生した。前年同期は約1億8000万円の為替差益を計上していた。

足元の円高傾向が続けば仕入れコストの圧縮につながる。大村社長は「下半期に1ドル=140円程度の円高が続けば為替による悪影響は少なくなる」とした。商品の価格戦略については「消費者はインフレに飽き飽きしている。値上げは一部の商品に限定して、多くは据え置く」と語った。

2日には増配と自社株買いも発表した。3〜8月期の配当を15円と、従来予想から1円積み増す。25年2月期の年間配当は30円となり、従来計画と前期実績から1円の増配になる。4日から25日にかけて発行済み株式総数(自己株式を除く)の0.4%にあたる24万3000株を上限に自社株買いを実施する。

25年2月期通期の業績予想は据え置いた。売上高は前期比6%増の1880億円、税引き利益は14%増の93億円と、いずれも過去最高になる見通し。出店計画も維持し、年間で50店舗増やす方針だ。

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