月岡温泉は「歩いて楽しい温泉街」へ、空き店舗を改装した店などが増えている(新潟県新発田市)

日本政策投資銀行新潟支店は3日、月岡温泉(新潟県新発田市)の日本人来訪者分析の結果を発表した。ビッグデータを使って動向を調べたところ来訪者の7割弱が新潟県内からで、周辺の観光スポットを周遊する人が少ないことがわかった。共同で分析した新発田市観光協会(同)などは結果を今後の誘客策などに生かす。

auのスマートフォンユーザーの位置情報を基にした「KDDI Location Analyzer」を使って分析。来訪者数はデータを基に拡大推計した。

月岡温泉の2023年度の来訪者数は38.5万人で、うち新発田市からが14%、同市を除く新潟県内が55%だった。来訪者のうち宿泊客の割合は51%、日帰り客が49%とほぼ同水準となった。

来訪者のうち周辺観光施設に立ち寄った人の割合は、最も高い新潟市の「新潟島・万代」でも13.3%にとどまった。同じ新発田市内にある新発田城は2.1%だった。宿泊率が高い東京居住の来訪者でみても新潟島・万代が17.9%、新発田城は4.6%、弥彦神社(同県弥彦村)が9.3%と、周遊している割合は高くなかった。

分析を踏まえて今後来訪者や観光消費額を増加させるためには、短期では県内客のリピート化と掘り起こし、中期的には近隣県や首都圏・関西で観光プロモーションの強化が有効とした。さらに長期戦略では、平日対策や長期滞在による需要の平準化へインバウンド(訪日外国人)誘致が必要とした。

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