VR端末を着用して飛行機の離着陸支援を仮想現実上で訓練する

全日本空輸(ANA)は4日、飛行機の離着陸などを支援する「グランドハンドリング(グラハン)」の訓練に、仮想現実(VR)端末を導入したと発表した。仮想現実の中でグラハン業務をいつでも繰り返し訓練できる環境を整える。飛行機を押し出す業務なら従来より訓練期間を4割ほど短縮できると見込む。

コンテンツ制作の積木製作(東京・墨田)と共にVR端末用の訓練シミュレーター「アトラス」を独自に開発した。

飛行機を押し出したり、けん引したりする「プッシュバック・トーイング」のほか、ターミナルと飛行機をつなぐ旅客搭乗橋の設置、出発前の飛行機の表面からの氷や雪、霜などの除去、特殊車両で空港内を走行する計4つの教育コンテンツを用意する。4日、まず羽田空港で訓練を始めた。11月末までにANAが自社でグラハンを担う国内11空港の全てでアトラスの運用を始める予定。

航空業界では新型コロナウイルス禍で多くのグラハン人材が離職した。現在はグラハンを担う人員数自体はコロナ禍前とほぼ同水準に回復したが習熟度の引き上げが課題となっている。VRを活用することで訓練の大幅な効率化が図れると判断した。ANAによればプッシュバック・トーイングでは訓練に必要な人員も半分にできるという。

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