12日に再開業する「ニコンミュージアム」には約500点のカメラを展示する(9日、東京都品川区)

ニコンは9日、東京都品川区の本社内で自社製品を展示する「ニコンミュージアム」の開業式典を開き、報道陣に公開した。1959年に発売した初のレンズ交換式一眼レフカメラ「ニコンF」など100年以上の歴史の中で開発した製品を一堂にそろえた。12日に一般向けに公開し、自社ブランドの認知向上につなげる。

ニコンミュージアムは東京都港区の旧本社内に2015年に開館し、延べ19万人が訪れた。本社移転に伴って2月末に一時休館していた。

入場は無料。新ミュージアムの総面積は約670平方メートルと、従来に比べ3割広くした。展示点数も約1300と3割増やした。約500点のカメラのほか、レンズを展示する。

ニコンは1917年、当時欧州からの輸入に頼っていた双眼鏡や顕微鏡などの光学製品の国産化を目的に創業した。創業初期に開発した顕微鏡のほか、半導体の製造に使う露光装置のレンズの模型などもそろえた。

半導体露光装置の投影レンズの素材になる合成石英ガラスインゴットの展示(9日、東京品川区)

同日、式典に参加した德成旨亮社長は新ミュージアムについて「伝統と革新をプロダクトとエピソードで体験するミュージアムとして運営していく」と話した。ニコン製カメラのファンのほか、インバウンド(訪日客)や地域の子どもたちなどの来場を見込む。

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