ズームの年次イベント「ズームトピア2024」に登壇したエリック・ユアンCEO(9日、米カリフォルニア州サンノゼ)

【シリコンバレー=藤生貴子】ビデオ会議システムの米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは9日、業務を効率化する生成AI(人工知能)の新機能を公開した。AIが秘書のように補助し、会議前にやるべき業務を提案したり、会議中に必要な情報を教えてくれたりする。

米カリフォルニア州サンノゼで開いた年次イベント「ズームトピア2024」で発表した。エリック・ユアン最高経営責任者(CEO)が登壇し、「AIで仕事の進め方に革命を起こす」と語った。

サービス名は「AIコンパニオン」で、ズームのビデオ会議やチャット上で使えるサービスだ。参加中の会議内容だけでなく、過去の会議やチャット上での会話、ネット上の情報などを生成AIが学習する。これまでの習慣を参考にして提案してくれる。

会議中に生まれた仕事を自動で管理する機能も追加する。例えば、発表資料の作成などの仕事を任された人が、その仕事を期限内に完了できるように助言してくれる。

会議を要約したメールを送りたい場合は、チャット履歴から相手との関係性を学び、相手に応じた口調や言葉遣いで作成してくれる。

ズームによると、1日に2時間以上をビデオ会議に費やす人は、AIコンパニオンの新機能によって1週間に推定6時間を削減できるという。ズームの有料アカウントがあれば追加料金なしで使える。

ズームは19年に米ナスダック市場に上場し、新型コロナウイルスの感染拡大を機に急成長した。その後は急成長の反動で業績が伸び悩み、株価は20年に付けた上場来高値の1割程度に落ち込んでいる。

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