小売り大手のセブン&アイ・ホールディングス(HD)は10日、傘下のスーパーや外食事業などの株式の一部を、2026年2月までに売却する方針を発表した。カナダのコンビニ大手から受けている買収提案に対抗するため、収益性が高いコンビニ事業に集中して企業価値を高める狙いだ。

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 発表によると、業績が低迷しているイトーヨーカ堂などのスーパー事業や、デニーズなどの外食、雑貨のロフトなどを束ねるための中間持ち株会社「ヨークHD」を11日に設立。ヨークHDは株式の一部をファンドなどに売却したうえで、新規上場を目指す。

 セブン&アイはヨークHDの株式の一定割合を保有し続け、持ち分法適用会社としてグループには残す方針だ。食品開発領域における協働体制をとるためだという。今後は国内外のコンビニ事業に集中することを示す意味で、社名も「セブン-イレブン・コーポレーション(仮)」に変更する予定だとした。

 セブンはカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから7兆円規模での買収提案を受けている。今回の構造改革によって自力で企業価値を高め、株価を上げることで買収のハードルを高くする狙いがあるとみられる。(井東礁)

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