「SHOGUN 将軍」が米エミー賞連続ドラマ部門の作品賞を受賞し、トロフィーを掲げる真田広之さん(手前右から2人目)。同左端はアンナ・サワイさん(9月15日、ロサンゼルス)=ロイター・共同

経団連は10日、漫画やアニメ、映画、音楽などのコンテンツ産業の育成に向けた政策提言を発表した。現在は数百億円程度の政府の関連予算を早期に2000億円以上へ増やすよう訴えた。支援を一元的に担うコンテンツ省の設置を検討すべきだと提起した。

日本由来のコンテンツの海外売上高は鉄鋼や半導体といった産業の輸出額に匹敵する規模で、外貨を稼ぐ産業として期待できる。これを踏まえ経団連は、新たに発足した石破茂内閣において「コンテンツ振興をトッププライオリティー(最優先)に位置づけて取り組む」よう求めた。

Kポップなどで成功する韓国を参考に、政府がコンテンツ産業の振興を看板政策に掲げて長期的な視点で戦略を立てる重要性を指摘した。経済産業省や内閣府などの担当者が頻繁に交代する現状の体制を踏まえ、司令塔機能を担う省庁の新設を唱えた。

コンテンツ産業の魅力を高めるには低賃金や長時間労働が指摘される労働環境の改善が必要だと提唱した。適切な報酬の支払いやワークライフバランスの推進を促した。

施策の推進などで、日本発コンテンツの海外市場規模を2021年の4.5兆円から33年には15兆〜20兆円規模にする目標を示した。制作力の強化を起点に、海外展開や収益拡大、クリエーターへの還元につながる好循環の確立を説いた。

政府は6月にまとめた新しい資本主義の実行計画で「コンテンツ産業活性化戦略」を打ち出した。9月にはコンテンツ産業官民協議会の初会合を開き、企業関係者や映画監督、俳優らが出席した。

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