セイコーエプソンが26日発表した2024年3月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前の期比30%減の526億円だった。2年連続の減益となり、従来計画から20億円強下振れした。半導体や水晶デバイスなどの販売が振るわなかった。
売上高に相当する売上収益は1%減の1兆3139億円だった。中国を中心とした世界的な景気減速の影響を受け、半導体や水晶デバイスなどを含む「マイクロデバイス他」が20%減の1043億円となった。家庭向けのプロジェクターの販売も伸びず、営業利益は同41%減の575億円だった。
同日、25年3月期通期見通しも発表した。売上収益が前期比1%増の1兆3300億円、純利益が9%減の480億円になる見込み。商業用途向けのデジタル印刷機などの販売は伸びるものの、前期に計上した為替差益がなくなる見通し。
同日オンラインで記者会見を開いた小川恭範社長は「グローバルでコスト削減を進めており、一部では人員削減も始めている」と明かした。販売会社や製造会社などが対象になっており、人員削減の規模や業績への寄与については公表していない。
同日、300億円を上限に自社株買いを実施することも発表した。発行済み株式総数(自己株式除く)の5.12%にあたる、1700万株を上限に取得する。取得期間は7月18日〜25年3月31日を予定する。取得した自社株はその全てを消却する方針だ。
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