能代工場はスギの原木を中心に製材する(11日、能代市)

製材大手の中国木材(広島県呉市)は秋田県能代市に建設してきた能代工場の第1期工事を終え、11日に完成披露式を開いた。国内6カ所目の国産材の製材拠点はすでに製材棟と加工集成材棟が稼働し、国産材へのシフトを加速させる。

能代工場の面積は県や市から取得した約44ヘクタール。今後は製品を保管する倉庫棟が2025年9月に完成し、製材の過程で出る樹皮や端材などの副産物を使った木質バイオマス発電所も26年冬に稼働する予定。総投資額は286億円を超える。

加工集成材棟は5月と7月にラインが稼働した

能代市は1級河川の米代川流域に豊かな森林資源がある。まとまった用地を取得でき、海上輸送網の拠点になる重要港湾の能代港を活用できるメリットもある。

中国木材はまず年間24万立方メートルの製材量をめざす。堀川保彦社長は「原木の安定確保に向け、人工林の面積が日本一の秋田県、豊富な森林資源を持つ東北地方への期待は絶大」と語った。

中国木材は秋田県や能代市と「建築物木材利用促進協定」を結んだ

同社は11日、県内や市内の木材を民間施設で積極活用するため、県や市と「建築物木材利用促進協定」を結んだ。

中国木材は1953年に創業。92年には自社の敷地内に船のバース(停泊場所)を設け、北米から米松を調達する仕組みを確立。住宅用構造材で業界をけん引してきたが、木材の安定調達に向け国産材へのシフトを進めている。

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