決算記者会見で謝罪するブックオフGHDの堀内康隆社長(15日、東京都中央区)

複数の店舗で架空買い取りや不適切な在庫計上の可能性が発覚したブックオフグループホールディングス(GHD)は15日、外部の弁護士らで構成する特別調査委員会の報告書を公表した。国内26店・1部署で従業員による不正行為が合計29件確認され、影響額は8100万円だったと明らかにした。不正があった店舗数は8月の途中報告の24店から増えた。

ブックオフGHDの堀内康隆社長は15日の記者会見で「お客様、株主の皆さまをはじめ、ブックオフグループに関わる様々なステークホルダーの皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げる」と述べた。

ブックオフGHDは6月に期末の社内での棚卸し作業で不正の可能性が判明し、社外の弁護士や公認会計士らで構成する特別調査委員会を設置して調査していた。

同日公表した調査報告書によると、従業員が現金の横領や商品の持ち帰りなどの不正を働いていた。架空の買い取り記録を計上して差額を現金取得していた。売り上げ・利益目標を達成するために、架空の取引を計上する事例もあった。調査報告書では「すべての不正について、組織的な不正の存在は認められなかった」と言及した。

ブックオフは全ての直営店で不正の有無を確認した(東京都内の店舗)

調査報告書は不正行為が発生した原因として、「従業員によるコンプライアンス(法令順守)意識の欠如」や「不正の防止に対する組織的な対応の不十分さ」などを指摘した。堀内社長は「マニュアルに定めたものが守られていなかったことや棚卸しの際のチェックの見落としが不正の背景にあり、管理体制に問題があった」と述べた。再発防止策や役職者の処分は11月上旬をメドに発表する見込みだ。

調査に伴い延期していた2024年5月期の連結決算発表を15日に行い、売上高は前の期比10%増の1116億円、純利益は38%減の17億円だった。不正関連損失と調査委員会設置に伴う費用を合わせて6億1800万円計上した。

15日には25年6〜8月期決算の開示が四半期末後45日を超えることも発表した。同期決算は22日の公表を目指す。

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