北海道ではバス運転手不足が深刻化している(札幌市)

北海道内のバス運転手の人手不足が深刻になっている。北海道バス協会(札幌市)がまとめた調査で、回答した86社の約7割がバス運転手について「足りない」と答えた。時間外労働時間の上限が規制される「2024年問題」も重なり、路線維持ができない事態につながっている。

同協会が8月ごろに会員企業に対して調査した。回答率は75%。業種別では、路線バスを運行する40社のうち80%、貸し切りバス専業(46社)の67%が運転手不足と答えた。運転手の不足数は路線バスが計362人、貸し切りは135人。計約500人不足している。

路線バスを運行する会社を対象に23年に実施した調査では、運転手不足とした企業は5割だった。前年に比べて運転手不足の深刻さは増している。

道バス協会の会員企業の運転手数は1990年代には8000人を超えていた。23年9月末時点では5417人まで減っている。新型コロナウイルス禍による需要減で減った運転手が戻っておらず、23年9月実績は19年同月比で15%少ない水準にとどまる。

運転手不足を背景に路線縮小も進む。24年8月調査時点の路線バス系統数は前年同期比4%減の1759に落ち込んだ。便数は1370便減り、約1万7000便に縮んだ。ジェイ・アール北海道バス(札幌市)は12月のダイヤ改正で札幌圏での平日運行数の約5%にあたる146便の減便を決めている。

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