エンビプロ・ホールディングス(HD)は30日、使用済みリチウムイオン電池の回収から再資源化までの履歴を追跡する実証実験を始めたと発表した。サトーと組み28日から11月中旬まで実施する。電池の性能や材料、二酸化炭素(CO₂)排出量など製造過程の情報を記録する「電池パスポート」へのデータ連携を視野に、リサイクル分野でのトレーサビリティー(生産履歴の追跡)の確立を目指す。

実証実験ではサトーのプリンターから回収した約600キロの使用済み電池を使用する。電池の輸送過程ではサトーの温度変化や衝撃を記録してクラウドで確認できるタグや装置を電池の入ったドラム缶に付ける。リサイクル工場では在庫量や処理日時などをIDに記録し、エンビプロ子会社が開発中のトレーサビリティー管理システムにデータを蓄積する。CO₂排出量も算出する。

工場で製造した電池を熱処理してできる粉体「ブラックマス」の出荷IDをタグのIDとひも付けることでリサイクルの履歴を確認できる。データは使用済み電池の排出業者にも提供する。リサイクルの透明性向上のほか、電池の処理過程での発火事故などへの安全対策にも役立てる。

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