パナソニックホールディングス(HD)傘下の電子部品事業会社、パナソニックインダストリーは1日、顧客との契約で定められた仕様や性能を満たさない不正が新たに見つかったと発表した。既に明らかにしている米国の第三者安全科学機関の認証取得の不正と合わせ、問題の品番は計約5200品番にのぼる。公表済みの153品番から大幅に増えた。
パナインダの坂本真治社長は1日に開いた記者会見で、自社製品に関する顧客との個別契約で72件の不正がみつかり、認証取得の不正(21件)と合わせ計93件の不正があったと明らかにした。1月に安全や品質の認証機関である米ULソリューションズの認証の不正取得が発覚したことを受けて設置した、外部調査委員会の調査で判明した。
経営責任を明確にするため、坂本氏とパナソニックHDの楠見雄規社長兼グループ最高経営責任者(CEO)がそれぞれ月額基本報酬の50%を4カ月間、自主返納する。坂本氏は「顧客など全ての関係者にご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる」と陳謝した。
改ざんしたデータを顧客に報告し、契約内容を満たすよう偽装などをしていたという。坂本氏を含む経営陣が不正を把握したにもかかわらず、顧客に報告しなかった事例も確認された。
パナインダによると、5200品番は自動車や家電に使われる電子材料などで、年間の売上高は約1900億円。坂本氏は現時点で顧客からキャンセルや返品の要請はないとし、問題が足元の業績に与える影響は限定的との考えを示した。
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