第一三共は12日、開発中の肺がんの治療薬候補の製剤承認を米食品医薬品局(FDA)に申請したと発表した。治療薬候補「ダトポタマブ デルクステカン」で、申請した適応は細胞の増殖に関わるたんぱく質「EGFR」の遺伝子に変異が見られる非小細胞肺がん患者のうち、局所進行や転移性の患者を対象とする。
一方、FDAにすでに製剤承認を申請していた同じダトポタマブの違う適応については自主的に取り下げたと発表した。取り下げたのは、局所進行や転移性の「非扁平(へんぺい)上皮」の非小細胞肺がん患者が二次治療や三次治療で使用することを対象としたもの。
ダトポタマブは英アストラゼネカと共同で開発している。がん細胞に作用する抗体に抗がん剤を結合させた抗体薬物複合体(ADC)の一種だ。がん細胞を直接攻撃するため、副作用のリスクを減らせるとみられる。
同じ治療薬候補で製剤承認の申請と申請取り下げをした理由について第一三共は「臨床試験(治験)結果などを踏まえて、FDAとの協議に基づいて行った」と説明した。患者数でみると、今回の申請変更で対象となる範囲はやや狭まるとみられる。同社は25年3月期業績への影響について「精査中だが、軽微とみられる」とした。
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