日本航空(JAL)と北海道大学は定期便航空機を活用した海洋観測を行う。JAL傘下の北海道エアシステム(HAC、札幌市)の航空機1機に機外カメラを搭載し、赤潮の発生をモニタリングする。2025年夏に始める予定で、定期便航空機を活用した赤潮モニタリングは世界初という。
機体後方部に観測用のカメラを設置する。赤潮の原因となる植物プランクトンが発する異なる波長の光を同時に捉え、複数の波長帯の画像を撮影できるカメラ3台を取り付ける。札幌丘珠空港と函館、利尻空港を結ぶ便や、函館と奥尻を運航する便で運用する。函館湾の観測から始める計画で、噴火湾や奥尻海峡、西日本の赤潮が多発する海域での観測も見込む。
カメラで撮影したデータは北大へ送信・解析し、赤潮の分布を推定する。モニタリングを重ねて赤潮検知の精度を向上させる。ドローンや人工衛星に比べ手間や時間をかけずに精度の高いモニタリングができるという。
赤潮は魚介類の窒息死を引き起こし、水産業に大きな被害を及ぼしている。大量発生した21年には道内で90億円以上の被害が生じた。今回の取り組みでは、赤潮発生を検知後に水産事業者などへ情報伝達する仕組みづくりも検討する。森林など赤潮以外にモニタリング対象を広げることも視野に入れる。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。