東京証券取引所などに上場する地方銀行・グループ73社の2024年9月中間決算が14日、出そろった。日銀の利上げを受けて貸し出しによる利息収入の回復が続き、全体の7割超となる53社で純利益が前年同期から増益となり、1社は純損益が黒字転換した。記録的な株高も追い風だった。前年同期は米国債の価格下落に伴う損失が響き、約6割が利益を減らしたが、今年は一服した。

 日銀が12月にも追加の利上げに踏み切るとの観測が浮上し、年度末にかけてさらに利ざやの改善が進む可能性がある。

 一方で4~9月の全国企業倒産件数が10年ぶりに5000件を突破し、地方の中小企業を取り巻く環境は厳しさを増す。金利上昇を受け、借り手側の地元企業から見れば返済時の負担が重くなっている。地銀各行には、企業経営の助言などを通じ、取引先を含めた地元経済を支える態勢づくりが一層求められそうだ。

 73社の純損益の合計は前年同期比17・5%増の6590億円。(共同)

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