あおぞら銀行が15日発表した2024年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比1%減の119億円だった。デリバティブ販売やLBO(借り入れで資金量を増やした買収)ファイナンスの収益が伸びたが、前年同期に計上した海外株式売却益がなくなったことなどもあり、ほぼ横ばいとなった。
本業のもうけを示す単体の実質業務純益は96億円と前年同期から23%減少した。24年3月期の連結最終損益が499億円の赤字となった要因の米国のオフィス向けノンリコースローン(非遡及型融資)については、9月末の残高は17億ドルと24年3月末比で10%減少した。対象となる21件のうち4〜9月期に5件の債権回収が完了した。
米国オフィスの市況について、記者会見した大見秀人社長は「賃貸の需給が改善していない」と述べた。あおぞら銀行が抱えるオフィス向け案件の今後の見通しについては「この環境が2年続くという前提で引き当てをしたが、長引いた場合はまた変わってくる可能性がある」と説明した。
5月に資本業務提携を結んだ大和証券グループ本社との協業で生み出されるシナジー効果については2027年度に業務純益ベースで100億円生み出す目標も明らかにした。法人向けは大和証券が幹事を務める上場企業にローンを提供し顧客基盤を拡大する。
富裕層向けには大和証券Gが扱うファンドラップなどをあおぞら銀行の顧客に提供し、あおぞら銀行が扱う不動産担保ローンなどは大和証券の顧客に提供する。
グループのGMOあおぞらネット銀行については、10月に業務純益ベースで単月黒字を達成し下期以降に黒字化の定着が視野に入ったと評価した。将来的な上場について大見社長は、黒字化したばかりとしつつ「一つの選択肢として考えたい」と話した。
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