日本特殊陶業の川合社長は「中国需要は自動車、半導体製造装置向けともに厳しい」との見方を示した

日本特殊陶業が30日発表した2024年3月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前の期比25%増の826億円と過去最高だった。最高益更新は3期連続。主力の新車向けのエンジン点火プラグで、原材料の価格転嫁が進んだ。為替の円安進行も収益を押し上げた。半導体製造装置用の部品は市況低迷で落ち込んだが補った。

売上高にあたる売上収益は9%増の6144億円だった。点火プラグを中心とした自動車関連事業の売上収益は14%伸びた。材料に使う貴金属のイリジウムの価格が高騰したことを受け、プラグの販売価格を引き上げた効果が出た。中国向けの需要が弱含み、販売数量は前年並みだった。半導体製造装置関連の部品を手掛けるセラミック事業は13%の減収だった。

営業利益は1075億円と21%増えた。為替レートは1ドル145円と前の期から10円のドル高・円安だった。円安効果が約180億円営業利益を押し上げた。

同日発表した25年3月期の連結業績予想は、売上収益が前期比5%像の6430億円、純利益が微増の830億円を見込む。名古屋市内で記者会見した川合尊社長は、「中国向けの需要は自動車、半導体製造装置向けともに厳しい」との見方を示した。

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