訓練航行するホーバークラフト(大分市)

大分空港(大分県国東市)と大分市を約30分で結ぶホーバークラフトを運営する「大分第一ホーバードライブ」(大分市)は18日、国土交通省九州運輸局からの認可が15日付で下りたと発表した。同社は12月にも空港アクセス事業の運航を始める。

ホーバーは今年3月末までの運航開始を目指したが、訓練中の事故の影響で先送りしていた。空港アクセス事業の開業日は今後、運輸局による現地での安全確認検査や試乗会などを経て決める。

空港アクセス事業に先立ち、ホーバーによる別府湾の周遊事業は11月中にも開始する。約30分の周遊コースは週末を中心に1日2〜4便の予定だが、希望者が多ければ増便を検討する。

ホーバーの導入で大分空港から大分市中心部へのアクセスは、高速バスでの約1時間から約30分に短縮される。運賃は、空港アクセス航路も周遊コースも同額で、専用アプリの事前決済で大人2000円とする。

記者会見する大分第一ホーバードライブの小田典史社長(18日、大分市)

同区間ではかつてホーバーの定期航路が存在していたが、業績悪化を理由に2009年に運航停止した。空港へのアクセスの改善や空港利用者の増加予測を踏まえ、県が20年に「上下分離方式」による復活を表明。船体取得やターミナル整備などの費用を県が負担し、ホーバーの運航・運営は民間事業者が担う。

総事業費は約117億円。利用者低迷で運航停止に追い込まれた空港アクセス事業だけに課題は採算性だ。大分第一ホーバードライブによると、空港アクセス事業の黒字化は難しく、別府湾などの周遊事業の収益で補塡する形になるとしている。 

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