JR東日本と関係自治体の担当者が出席した第4回JR米坂線復旧検討会議(19日、新潟県関川村)

JR東日本新潟支社は19日、豪雨により被災し一部運休が続くJR米坂線の第4回復旧検討会議を開いた。JR東は関係自治体に対し上下分離方式で復旧した場合、運営費の地元負担額は年間最大17億円となる試算を公表した。これを受け、これまでJRによる復旧・運営を求めてきた沿線自治体は「その他の復旧パターンも考えていくことが必要」との見解を示した。

開催は5月以来。前回会議では、JR東側が復旧後の運営パターンとして①JR運営②上下分離③第三セクター(地域運営)④バス転換――の4パターンを提示。JRは「JR単独を前提とした復旧は難しい」としていた。19日の会議では、JR東側が「議論を深めるための検討材料」として、運行経費の内訳など新たに4項目を提示した。

こうした経費や物価動向などを踏まえ復旧後の地域負担を試算した場合、上下分離方式による復旧は、年12.8億円〜17億円の運営費がかかる見通しという。パターン③、④は「前提条件により変動する」として算出していないとした。

両県からは「自治体が負担するには非常に重い」との声があがった。山形県みらい企画創造部の小中章雄部長は「鉄道復旧を第一に考え、上下分離や三セク運営の実現可能性を探っていく」とし、新潟県交通政策局の太田勇二局長は「自治体に維持管理が移ったときの財政支援について、引き続き国に働きかけていく」と述べた。

米坂線は22年8月の豪雨で被災し、今泉(山形県長井市)―坂町(新潟県村上市)間の約68キロメートルが現在も運休中で代行バスを運行している。同区間の復旧に約86億円と約5年の工期がかかる見通し。

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