【ニューヨーク=吉田圭織】米製薬大手のイーライ・リリーが30日発表した2024年1〜3月期決算は、純利益が67%増の22億4290万ドル(約3530億円)だった。同社の糖尿病薬と肥満症薬の販売が堅調だったほか、生産能力の拡大を予想していることから通期予想も上方修正した。
売上高は26%増の87億6800万ドルだった。糖尿病薬「マンジャロ」(一般名チルゼパチド)や肥満症治療薬「ゼプバウンド」が増収の主因となった。23年11月に米食品医薬品局(FDA)が承認したゼプバウンドの売上高は5億1740万ドル、マンジャロの売上高は前年同期の3倍強となる18億650万ドルだった。マンジャロは減量効果があるとして、米国で肥満症薬としても使用されている。
人気が高く、需要に供給が追いつかない。これらの薬の売上高は今後も伸びそうだ。両方の薬に使われるチルゼパチドは睡眠中に起こる呼吸障害の軽減にも有効なことが後期臨床試験(治験)で確認されている。
乳がん治療薬「ベージニオ」や糖尿病薬「ジャディアンス」も好調だった。24年5月にはFDAが諮問委員会を開き、アルツハイマー病薬の「ドナネマブ」の承認について議論する見通しだ。
同社は24年12月通期の業績予想を上方修正した。品不足に悩まされていたマンジャロとゼプバウンドの生産拡大が予想されるため、売上高は424億〜436億ドルと従来予想の404億〜416億ドルに、1株利益(EPS)も13.05〜13.55ドルと従来予想の11.8〜12.3ドルから引き上げた。
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