住友ファーマ大阪本社(大阪市中央区)

住友ファーマは1日に開いたオンライン経営説明会で、新規の医薬品開発を大幅に縮小する方針を示した。2025年3月期の研究開発費は前期比45%減の500億円とする。コスト削減を進める一方で、前立腺がん治療薬など基幹製品と位置付ける3薬品の販売を拡大し、本業のもうけを示すコア営業損益で2期ぶりの黒字回復を目指す。

野村博社長は今回の説明会で「身の丈に合ったコスト構造にする」と述べた。新薬開発は主に白血病治療薬などがん領域と再生医薬に絞り込む。25年3月期の販管費も1690億円と前期比で28%削減する。北米での人員削減などが軸となる。25年3月期は研究開発費と販管費の削減で、1080億円の収益改善を見込む。

同社は4月30日に24年3月期の連結純利益(国際会計基準)が3150億円の赤字(前の期は745億円の赤字)となったと発表していた。

23年2月に主力製品である統合失調症薬「ラツーダ」の米国での特許が切れ、業績が悪化。基幹3製品の一つである子宮内膜症治療薬「マイフェンブリー」の販売低迷などを受けて1800億円規模の減損損失も計上した。コスト負担の重さからコア営業損益も1330億円の赤字(前の期は163億円の黒字)となっていた。

25年3月期には「米国での基幹3製品の販売が(前期の約900億円から)1300億円程度まで伸びる」(野村社長)と強調。25年3月期のコア営業損益は10億円の黒字を見込む。配当予想は2期連続の無配とする方針だ。

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