ダイハツ工業の認証不正問題で親会社のトヨタ自動車に多額の損失が生じたのは、取締役らがダイハツの監督を怠ったためだとして、トヨタの株主2人が豊田章男会長ら5人に対し、55億円を同社に賠償するよう求める株主代表訴訟を起こしたことが29日、分かった。10月2日に名古屋地裁岡崎支部に提訴し、地裁本庁に回付された。
訴状によると、他の4人は佐藤恒治社長と元取締役3人。株主側は、ダイハツには工場の操業停止や下請け企業への補償などで880億円の損害が生じ、全株式を保有するトヨタも同額の損害を受けたと主張。短期間での開発が求められ、極度のプレッシャーがかかった状況で、不正が発生することは容易に予見できたとして、豊田氏らにはリスクに対応する体制を構築しなかった過失などがあるとしている。
トヨタは「訴状の内容を確認し、当社の取り組みが裁判に正しく反映されるよう対応していく」とのコメントを出した。
ダイハツは昨年4月、海外向け4車種の衝突試験で不正があったと発表。原因究明のために設置した第三者委員会は、トヨタなど他社ブランドを含め174件の不正があったと認定した。立ち入り検査を実施した国土交通省はさらに14件の不正を確認し、是正命令を出した。〔共同〕
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