JR東日本は原宿駅(東京・渋谷)の旧駅舎跡地に新たな商業施設を建設する。地域住民らに100年近く親しまれてきた旧駅舎の外観を再現するなどし、原宿エリア全体のにぎわい創出につなげる。2024年5月末にも着工し、26年度冬の開業を目指す。
旧駅舎は20年3月の新駅舎開業に合わせて閉鎖、解体された。同社は外観を再現して建て直すため、解体後も資材を保管していた。
新たな施設は地上4階、地下1階建てで延べ床面積は約1170平方メートル。旧駅舎で実際に使われていた風見鶏やステンドグラス、他の外装材の一部を再利用することも検討している。
1924年に完成した旧駅舎は三角屋根や尖塔(せんとう)を載せたデザインが特徴だった。「ハーフティンバー様式」と呼ばれ、柱や筋交いなどの建物の軸を組み立ててからセメントや石を詰めて壁をつくる。大正〜昭和初期の代表的な建築様式とされる。
戦時下の空襲でも建物が焼けずに残り、その後は若者向けのファッションやスイーツの流行などを生み出す原宿のシンボルとして親しまれてきた。
原宿駅の開発は、同社が進める「Beyond Stations構想」の一環だ。駅空間の配置と機能を変え、交通の拠点から暮らしのプラットフォームへの転換を目指す。同社の小川治彦首都圏本部長は「特徴的な外観を可能な限り再現して建て替えたい」と話した。
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