崩落に巻き込まれる危険がある掘削現場に作業員が近づく時間を減らす(写真は爆薬を装塡した現場の様子)

戸田建設は12日、山岳トンネル工事で岩盤を爆薬で壊す作業をより安全にする技術を導入したと発表した。液状の爆薬を使うことで、掘削現場に作業員が近づく時間を減らす。トンネル工事に携わる作業員の人手不足に対応する。

京都府内の工事現場で導入した。掘削現場から離れた位置からパイプを伸ばし、液状の爆薬材料を混ぜながら流し込む。手作業で固形の爆薬を置く従来のやり方よりも、作業員が危険なエリアに拘束される時間が減る。

現場で材料を製造して流し込む一連の設備は産業用爆薬メーカーなどと開発した。国内の山岳トンネルでの事例は初めて。従来のやり方よりも爆薬の量を細かく調整でき、作業効率も高い。山岳トンネルは市街地を避けて高速道路や鉄道を開発するために、今後も工事の需要があるとみている。

同社はこれまでトンネルに使う鋼材を遠隔操作で設置する技術や、コンクリート吹き付けの品質を遠隔から管理する技術を開発してきた。自動化や無人化の技術を導入する現場を増やす。

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