BLUABLE(ブルアブル)は藻場の造成に向け、全国16か所の海域で実証実験をしている

富士通は3日、海藻に二酸化炭素(CO2)を吸収させて脱炭素につなげる「ブルーカーボン」事業で新会社を設立したと発表した。社内の新規事業創出プログラムから生まれ、事業化するためにスピンアウト(分離・独立)した。海藻が集まる藻場の造成に向け、全国16か所の海域で実証実験をしている。2025年10月から商談を始めることを目指す。

新会社名はBLUABLE(ブルアブル、兵庫県宝塚市)で10月に設立した。大企業に所属しながら新規事業に挑む「出向起業」と呼ぶ形態で、代表取締役の魚谷貴秀氏らは富士通からの出向扱いになる。

ブルアブルは藻場の造成から、海藻類によって海底に吸収・埋没されるCO2の測定、そのCO2吸収量を認証する「Jブルークレジット」の申請まで一貫して手掛けられるようにする。

同社が提供する藻場造成キットは、海藻が着生しやすい物質を海へ投下するだけで藻場が造成できる。設置にあたって重機の利用などが必要ないため、現在一般的に行われている藻場造成方法と比較して短期間で安価に導入できる。今後は海底に吸収・埋没されるCO2の測定に、あらゆるモノがネットにつながるIoTや人工知能(AI)を活用していく。

11月にはベンチャーキャピタル(VC)の出向起業スピンアウトキャピタル(東京・中央)から資金調達を実施した。調達額は非公表で、資金は製品開発などの検証に充てる。

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