完成したシロアシエビを陸上養殖する「磐田プラント」の内覧会を開いた(3日、静岡県磐田市)

NTTグループが静岡県磐田市に建設していたエビの陸上養殖場が完成し3日、現地で竣工式を開いた。養殖場はスズキから同社子会社の工場建屋を賃借して整備。8月には同じ磐田市内のエビ陸上養殖場を関西電力から買収しており、合わせて年間約200トンを生産する国内最大の拠点とする。スズキも近接する傘下の農園などとの連携を探る。

完成した「磐田プラント」はNTTが2023年に設立した水産事業会社、NTTグリーン&フード(G&F)が磐田市竜洋地区にあるスズキ部品製造の工場跡で営む。敷地面積は1万3000平方メートルで、既存建屋の中に16メートル四方・深さ1.8メートルの水槽を16ブロック設け年110トンを生産するエリアとする。稚エビ育成や検証用の水槽も設ける。

関係者が稚エビを入れ無事の成長を願った(3日、静岡県磐田市)

磐田プラントでは「バナメイエビ」として知られるシロアシエビを国産種苗から育てる。関電から買収した海幸ゆきのや合同会社(磐田市)が育てるのもシロアシエビだ。ともに完全閉鎖循環式の陸上養殖を採用し食の安全・安心を確保、エサや排せつ物で海を汚さず環境負荷も低減する。ブランド名は「福えび」「幸えび」とした。

竣工式で挨拶したNTTの島田明社長はスズキからの工場跡提供で「工事建設の期間を大幅に短縮できた」と謝意を示した。スズキの鈴木俊宏社長は「環境問題や食料問題の課題に解決策を提供し地域経済活性化のモデルケースとなるよう願う」と述べた。

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