北九州市立大学は2027年4月に開設する「情報イノベーション学部(仮称)」で課題解決型学習(PBL)を導入するため、IT企業30社と連携する方針を明らかにした。第1弾として4日にウイングアーク1stと産学連携協定を結んだ。学生4〜5人と連携企業のメンターらがチームをつくり、実践的なデータ分析スキルと課題解決力を学ぶ。
PBLは2年生の段階から実施し、社会ですぐに活躍できるデジタル人材の養成を目指す。北九州大の柳井雅人学長は協定締結式で「新学部の教育の中心にPBLを置く。北九州から遠い企業も含めて50社にアプローチし、そのうち30社程度にPBLや講師派遣をお願いしたい」と話した。
ウイングアーク1stはデータ活用や帳票・文書管理に強みを持つ。同社のPBLではサッカーJ3のギラヴァンツ北九州と協力し、試合観戦に訪れたサポーターを匿名化して位置情報やサポートショップ465店での購買行動のデータを分析する。北九州の小倉都心部で来訪者の回遊性を上げる方策などを検討する。
ウイングアーク1stの田中潤社長は「企業は実践的な経験を積んだ学生を求めている。企業が本来やるべきテーマに学生を巻き込んでいきたい」と語った。同社は東京都港区に本社を置くが、新学部のキャンパスができる北九州市の旦過市場(たんがいちば)近くにデジタルトランスフォーメーション(DX)推進拠点「地域創生ラボ」を開設している。
北九州大は学生数6700人(院生含む)で国内の公立大学としては3番目の規模を持つ。
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