建て替えの計画が判明した中村第一ビル=宇都宮市で2024年12月6日午後3時58分、松沢真美撮影

 宇都宮市池上町の大通りに面し、かつては「丸井宇都宮店」などが出店していた中村第一ビルの建て替え計画が6日、関係者らへの取材で判明した。新たな施設はホテルや飲食店が入る方針で、来年4月から解体工事に着手し、2028年10月に新施設が完成する予定。市が導入した国の補助事業「有良建築物等整備事業」に適用される初のケースとなる見込みだ。

 同ビルは1967年に建設された。地上9階、地下1階建てで、丸井宇都宮店や映画館、飲食店が出店していた。87年に丸井が撤退し、後継店も郊外型店舗へ移るなどテナントが減少。老朽化も進み、現在は大半が空きスペース状態になっている。

 新施設の事業概要案は、地上14階、地下1階建て。1階に飲食店、高層階はホテルが入る。次世代型路面電車(LRT)のJR宇都宮駅西側延伸との相乗効果を見据え、大通り側にはゆとりのある歩行空間を整備するなどし賑わい創出を図るとしている。

 解体後の新施設着工は2026年4月、28年10月完成を目指し、今月16日には周辺住民への説明会を開き事業概要などを説明する。整備事業を推進する都市開発コンサルティング事業者によれば、市の方針に沿った都市開発計画の申請を進め、今年度中にテナントなどを決定するという。

 市が導入した「優良建築物等補助事業」はJR宇都宮駅周辺や大通り沿線や東武宇都宮駅周辺などを重点対象に、開発費用を補助する。市市街地整備課では「現在は事前相談を受けている段階だが、正式に補助事業適用となれば市中心部の活性化につながり歓迎したい」と話している。

  福田富一知事は6日の定例記者会見で「正直言って歓迎すべきこと。県としても、関係法令の周辺整備や補助金の有効活用に関する助言などで応援したい」と話した。【松沢真美、藤田祐子】

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