バンクーバー空港を離陸するエア・カナダの旅客機=ロイター

カナダ航空首位のエア・カナダは2025年から需給の状況から航空券の運賃を柔軟に変える仕組みを導入する。10日に都内で報道陣の取材に応じたワイス貴代アジア・太平洋地区統括支社長が明らかにした。25年1月にまずカナダで導入し、2月以降に日本を含む世界で順次導入していく。

エア・カナダが旅行会社へ提供するシステムを刷新している取り組みの一環。同社は新しい価格制度を「コンティニュアス・プライシング(CP)」と呼ぶ。全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)などが導入済みのダイナミックプライシングとの違いについて、「需要と供給のバランスで運賃が上がる点は同じだが、上昇のステップが階段状でなく、スロープのように(滑らかに)上がる」と説明する。

報道陣の取材に応じるワイス貴代アジア・太平洋地区統括支社長(10日、東京都港区)

ワイス氏は25年の注力方針の一つとして米国行き需要の開拓をあげた。円安の進行で日本からカナダへの渡航者は減っているが、米国行きの需要はビジネス客を中心に根強い。米国とカナダは2国間協定によりカナダの空港で米国の入国審査を済ますことができる。

他社の直行便で米国で入国審査を受けるより、カナダで乗り継ぎ、米国内便の扱いでスムーズに入国できる点を訴求する。ワイス氏は「米国に行く航空会社なら『エア・カナダ』となりたい」と語った。

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