曙ブレーキ工業は19日、事業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)がトヨタ自動車に代わって筆頭株主になると発表した。JISが保有する議決権のない種類株式の一部を2025年1月中に普通株に転換するため。転換後の保有割合は50.7%と過半になる。

発行済み株式総数の増加に伴い、トヨタの保有割合は5.7%(従来は11.6%)に低下し2位株主になる。流通株式比率が35%以下に下がることを踏まえ、プライム市場からスタンダード市場への変更を検討する。

曙ブレーキは資金繰り悪化などで19年に金融機関から債権の一部放棄を受けた。JISの出資を受け、財務基盤を整えながら事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を使った再建を進めていた。今後もJISのもとで安定して稼げる体質を築く。

JISが筆頭株主になることに伴い、曙ブレーキは経営体制も刷新する。25年1月1日付で日産自動車を経て、三菱自動車で副社長を務めたJISの長岡宏非常勤顧問が執行役員社長に就く。2月28日に開く臨時株主総会での承認を経て長岡氏は代表権のある社長となり、宮地康弘社長は退任する。

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