島津製作所本社(京都市中京区)

島津製作所は7日、米国で液体分析装置の保守や点検サービスを手がけるゼフサイエンティフィック(カリフォルニア州)を買収したと発表した。買収額は4400万ドル(約67億円)。島津は主力の分析機器のアフターサービスや現地での開発体制を充実させ、北米地域での連結売上高を2026年3月期に23年3月期比4割増の700億円に伸ばす目標だ。

島津の米国の販売子会社、シマヅサイエンティフィックインスツルメンツ(メリーランド州)を通じて買収した。ゼフは製薬会社などに対し、液体分析装置の消耗部品の交換や点検などのサービスを提供する。北米を中心に事業展開し従業員数は79人。

島津製作所はゼフのアフターサービス網を生かす

島津の主要顧客である製薬会社などでは品質管理のため分析装置のこまめなアフターサービス需要が高まっているという。島津はこれまで自社製品のメンテナンスのみを手がけてきたが、ゼフは島津や欧米の装置大手など複数メーカーの分析装置に対応する。島津は自社製品のサービス網を強化し、ゼフが持つ保守データを製薬会社などに装置を販売する際に活用したい考えだ。

島津は米国を重点市場と位置づけて体制を拡大している。現地では2月に気体分析装置の部品事業を、4月には医療機器の販売代理店を買収した。顧客に合わせた製品のカスタマイズを提案するため4月にはメリーランド州やマサチューセッツ州など計3カ所に開発拠点も開いた。

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