名古屋鉄道は10日、グループの小売事業を管理する中間持ち株会社「名鉄リテールホールディングス」を7月に設立すると発表した。雑貨店「ロフト」などをフランチャイズチェーン(FC)運営する名鉄生活創研(名古屋市)と生活雑貨店「オンセブンデイズ」の2社を傘下に入れる。事業再編を顧客ニーズに合った商品提供につなげ、収益力を高める。
中間持ち株会社には名鉄が100%出資する。高崎裕樹社長は同日の記者会見で「運営ノウハウをグループ全体で共有するなど緊密な連携を図り、店舗開拓や商品開発を効率的に実現する」と話した。
名鉄は新型コロナウイルス禍で交通事業が落ち込んで以降、グループ会社の事業再編に取り組んできた。2021年には中間持ち株会社の「名鉄ホテルホールディングス」を設立し、22年に不動産事業を「名鉄都市開発」に統合。同年はバスや小売事業を再編した。
名鉄は今後控える名古屋駅の再開発事業の資金を安定的に確保するためにも、経営体力の強化が必須となっている。同社は24年度中に事業計画の方向性を明らかにする方針だ。
同日発表した24年3月期の連結決算は、純利益が前の期比29%増の244億円だった。売上高にあたる営業収益は9%増の6011億円だった。増収増益は3期連続。鉄道の輸送人員やレジャー需要が回復した。25年3月期の純利益は前期比15%増の280億円と見込み、年間配当は30円と前期から2.5円増やす。
あわせて24年度の設備投資計画も公表した。AI(人工知能)画像解析装置を用いて踏切を監視するシステムの導入を広げる。東岡崎駅周辺の施設整備などの再開発も進める。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。