島津製作所が10日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比10%増の570億円となり4期連続で過去最高を更新した。欧州を中心に医薬品製造などに使う主力の計測機器が伸びた。上限を250億円とする同社で初めての自社株買いも発表した。

売上高は6%増の5118億円、営業利益は7%増の727億円といずれも過去最高を更新した。同日会見した山本靖則社長は「欧州で肥満薬関連などの開発を急ぐ製薬大手の積極投資が続いており、液体分析装置などの需要が拡大した」と話した。為替相場の円安傾向も追い風となり営業利益を65億円押し上げた。

主力の計測機器事業は売上高が前の期比7%増の3382億円だった。医薬品メーカー向けのほか、水素などの新エネルギー開発向けが伸びた。人体への有害性が指摘されている有機フッ素化合物「PFAS」関連の分析システムも拡大した。

25年3月期の売上高は前期比3%増の5250億円、純利益は2%増の580億円になる見通し。アジア圏を中心に医薬品を自国で製造する流れが強まっているほか、インドなどで大気汚染などの環境規制が強まっていることから液体や気体の分析装置の需要が拡大すると見込む。

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